パンダ劇場

備忘録。大体ネタバレ。

浅田家

(1回目)2020.10.2

映画上映後に舞台挨拶中継がある回を観た。上映前の舞台挨拶と違いネタバレの話聞けるのが良いかと選んだのだが、後で色々調べると2回目の上映前舞台挨拶はマスコミが入らず和気あいあいとしていたらしい。へぇ、、、ま、いいけどさ。

(以下、ネタバレあり。)

派手に泣かせる演出じゃないのがすごく良かった。派手に泣かせる演出というのは音楽つけてフラッシュバック映像つける様な、ドラえもん的な演出。これだとその勢いでその場では泣かされてしまうのだが、この浅田家は泣きたくなるシーンほど静かで淡々と俳優さん達の表情を見せてくれた。後から思い出してじーんとなるし、もしかしたら2回目観たときの方が泣いてしまうかもしれない。

最後に泣かせてくるのが政志ではなくあの女の子だったとはね。っつーかあの子めちゃめちゃ上手だわ、すごいわ、なにあの表情。

あとはね、池谷のぶえさん最高。

主な俳優さんたちの細かい演技は2回目観賞時にまた堪能する。スリルとサスペンスの映画じゃないのにコーヒー飲む余裕がなかったのは凝縮してたから?

最初のお葬式のシーンが最後にまた出てきた瞬間、まだそのネタバレはされていなくても、あ、これは写真撮影の演出だったのかと解ってしまうところが不思議。それは私だけではなく、劇場のお客さん全体が「もしかして本当には死んでないのか」という雰囲気になった(気がした)。やっぱり劇場で映画を見るのはそういうところが楽しい。

被災地の報道カメラマンを観て政志がなんともいえない表情するのも良かった。私らが記事で見ている写真はあんな感じに撮られてるのかとハッとする。

被写体にカメラを向けるというのは、人によってはなかなか難しい行為なのだ。私も昔々、一眼カメラであれやこれや撮影しようとしたが、見ず知らずの人にいきなりカメラを向けるという行為に抵抗があったし、仲間といても場の雰囲気でカメラを取り出すことが出来ない事が多々あった。もしかして浅田さんもどちらかといえばそういうタイプであるがゆえに、このスタイルのカメラマンになったのでは?等と想像してみる。

写真洗浄については知らなかったというコメントをSNSで見たし、ニノ本人も知らなかったと言っていた。こちらは被災地ではないが東北人。当たり前に皆が知っている事だと思っていたので逆にびっくりした。そういう事も色んな人に伝わるのが映画の良いところなのだな。

この監督の代表作の「湯を沸かすほどの熱い愛」は観ていなかった。病気で死ぬ話は極力観ない事にしているので避けていた。もちろんただの食わず嫌い。機会があれば観よう。食ってみる。

舞台挨拶で最後にニノ、浅田家だけでなく映画界全体の話。自分が話した内容がたくさん記事にされる訳だから、その記事を読んで一人でも多くの人が映画館に足を運んで欲しいなという願いが込められてるようなコメントでございました。(勝手な想像)

舞台挨拶で後ろに立っていた浅田政志さん(本人)カッコいいしおしゃれなんだけど、なんだろーなー、その場に馴染んでないというのか個性が溢れ出しているのか、適切な描写がみつからないけど、いい感じだったわ。最後にニノの事撮影してた?その写真、見たいな。※

華さん演じる若奈ちゃんと政志とのあれやこれやも良かった。二人のシーンは予告にも番宣にもあまり出てこなかったよね。

若奈ちゃんアパレルのお仕事ということで「スローダンス」思い出した。ぶっきーと深津さんのドラマ。あの頃は女性がが自立して仕事してるドラマというのはまだ少なかったから新鮮だったし、ぶっきーと深津さんの会話が面白かったのですごく好きなドラマ。あと、アパレルのお仕事の人、常に荷物運んでるのよね体力仕事ね。

※ これかな?
https://thetv.jp/news/detail/245556/

 

(2回目)2020.11.2

少なくとも2ヶ月は上映する筈だと余裕ぶっこいていたが、鬼滅の上映回数が増えまくった為に、それ以外の映画は上映回数が減るという事態になっていた。げげげ。2回目はJK娘連れて平日の夜にでも見に行くつもりだったのに夜の上映回がない…。とりあえず見れるときに一人でも行かねばと通院帰りに映画を見る計画を立てた。朝から映画館の駐車場に停め、そこから病院に行って映画館に戻るのだ。そうすると駐車場代も節約できる。(映画を観ると駐車場代は4時間300円)

しかし平日朝はいつもガラガラの駐車場が今朝は満車。え?満車?これも、もしやあれのせい?と、鬼滅の上映時間を確認するとすでに本日3回目の上映が始まっている。皆さん朝早くから凄いね。映画館のスタッフの方々もお疲れ様です。

駐車場は少し待ったら入れたので問題なし。しかし今度は病院で待たされた。ハラハラしたけどまぁなんとか映画には間に合う時間に終了。でも昼飯を食べる時間がない。いつもならホットドッグでも買って予告見ながら食べるのに、今食べられないのよ劇場で。なのでコンビニでウィダーインとブラックサンダーを買って駐車場で腹に流し込む。映画館の方々、食べ物売らないときは腹が膨れる飲み物を売っていただきたいっす。

そんな訳なので上映前に無事、座席に座れたことでもう満足満足。

で、映画。シーンのひとつひとつが短く感じられたのは何なんだろ。1回目観てから1ヶ月経ってるから記憶のなかで膨らましてたのかな。展開も早い。先日観た「朝が来る」はもっとゆっくりな気がした。ゆっくり感じるのはひとつのシーンに時間をとっているという事なのかな。それと比較すると、ひとつのシーンが短く展開が早く感じるということかもしれない。

何かのインタビューでぶっきーの間が長いのが凄い普通ならあんなに間を空けると不安になるやっぱ一流の俳優さんだ…みたいな事、書いてあったの。どこのシーンかわからなかったけど今回解りました。

あと、富山の展示会のとき何やら難しい顔してたのは解らなかったな。虹の家族思い出してたのかな。おっきな展示会やることになったけど何かひっかかることあったのかな。3.11の予感、ではないよね。

3.11当日のシーンはテレビの画面映ってないと思ってたけど映ってたわ。上から観た映像。リアルな津波映像ではなくね。あの日テレビでどんな報道してたか全く知らないのよなにせ停電してたからな。

被災地のあれやこれやしょいこんだまま、平和な実家に戻ってくる感じがリアルだったな。家族もそれを感じつつ、いつも通り迎える雰囲気も含めて。

また立ち止まってしまうのか政志やべぇ…って気持ちだったのだろうかお母さんも若菜ちゃんも他の家族も。

りこちゃんが浅田家の写真集見つけたとき、被災地でこれ見せていいのかな…って、戸惑うよね。写真集見てるりこちゃんの様子伺って、笑ってるの見たらそうそうホッとするね。

小野くんの「興味本位で来てる人かと思いました」ってのもね、1回目は流して聞いてたけど、そうね興味本位で来てる人いっぱいいたんだね。

赤々舎の社長、やっぱ素敵。酔っぱらってるときと仕事してるときのギャップw

昔、幾つか本を買ってた写真家さんの写真集が赤々舎から出てたんだよねぇ久しぶりに買おうかな。写真集ってしばらくちゃんと見てなかったな。

キタムラのキャンペーンがあったので、昔の子供らの写真を久しぶりに現像してみたりもした。やっぱ良いね、プリント。一人目が産まれた頃はフィルムカメラがメインで、デジカメはまだ性能が良くなかったんだけどいつの間にやらデジカメが当たり前になって、スマホのカメラになっていた。いずれにせよ良い写真はちゃんとプリントしよ。昔の画像が荒い写真も、私の安いスマホのピントがあまい写真もそれはそれでいいものだった。

映画の最後に本物の浅田家の写真が一枚出てくるのだが、映画の中での浅田家の写真よりも良いな、と、思ってしまった。そりゃそうか。映画の中での浅田家の写真は結局のところ俳優さん達が被写体だから上手すぎるのだ、なりきりが。本物の浅田家の写真は素人のご家族がなりきっているが故に若干ぎこちないところもあるのが面白いんだな、と、思った次第でございます。

 

(3回目)2020.11.9

今週末からの上映予定が未定でな、時間帯によっては観れなくなるんで観れるうちに観ておこうの3回目。

そういえば公開したばかりの地元舞台の映画が早くも別館上映。それ目的に間違えて本館に来たご年配が二人もいましたよ。年配の方が観る映画は本館でやりましょう。私達のは別館で良いですよ。別館、ミニシアターっぽくて割と好きだし。

まぁそれもこれも全部鬼滅のせい。仕方ないけど。

で、浅田家。

一応ワタクシ、俳優二宮さん推しなんだけど、見るたびに他の登場人物が気になってくる不思議。推し俳優目的で見に行くとその推しばかり見るという邪道な鑑賞をしてしまう事もあるのだが、そういう見方は全くできないですこれは。

3回目にして気づいたのは、政志が回りの人達を振り回していると何度も言っていたが、回りの人達は政志に振り回されるのを待っているのだな、ということ。

そういえば政志が泣く(というか涙ぐむ)ときは人の気持ちを受けた時ばかりなのね。主役なんだけど、政志自身の苦悩とか気持ちにスポットを当ててる訳じゃないのだな。回りの人との関係性で見えてくる感じ。ナレーションはお兄ちゃん視点だし。

浅田政志さんご本人のインタビューを何かで少し聞いたけど、写真についての考えも色々話されてたし、写真家の仕事仲間の話とかもしてた。(そりゃ当たり前なんだけど)でもそういう所は映画では全く出てこなくてあくまでも家族との関わりの映画なのよね。

実話を元に…とはいえ、どこをどう切り取ってどう組み立てるか…という事を考えて作り出していく人達はやっぱり凄いな。

ご本人がパチンコで儲けたお金でアメ車買った話とか面白いからつい入れたくなっちゃいそうなんだけど、あの映画ではそれは要らないよね、そうよね。

後は何度みてもドキュメンタリーでしょコレ、と、思うのは「虹」のお母さん。何度も確認しちゃうんだけど役者さんよパンフレットに載ってる。篠原ゆき子さんですね。素晴らしかったです。

4回目は観れるかなぁ。いくら推し俳優でも何度も観れる映画はそうそうないから、何年かに一度のお祭りみたいなものですね。

あと、この映画とは全く関係ないんだけど映画館で地元ローカルCM流すのやめてくれないかなぁ。車屋のCMなんだけど。流すならもうちょっと垢抜けたCMでお願いしますよ。今年度もプレミアム会員なりますから、地元CMなしでなんとかならないでしょーかねぇ。地元出身監督さん、絶対気になるでしょーアレ。なんとかしていただけないかしらねぇ…。

 

https://youtu.be/UYtF6KIZES4

※ 以前、noteに書いていたものをちょっと手直しして転載。