パンダ劇場

備忘録。大体ネタバレ。

許された子どもたち

(観てからすぐ少し下書きして、しばらくしてから加筆、鑑賞したのでホヤホヤ感はない。)

この映画を観る少し前に似たようなテーマの「マザー」を見た。あれは明らかに母親に問題があり、解りやすかった。それに対してこの映画は何故こんな事になってしまったのか、ちょっとやそっとでは理解できない事がリアルだった。

原因はハッキリしないがこういう事件が起こるとまわりの人間がどうなっていくのか、どれもこれもありそうな事ばかりでそれもリアル。

ストーリーは音楽に合わせてぽんぽん進むから、そのテンポのお陰でしんどい話もまぁなんとか受け止められる。

監督インタビュー

https://cinemagical.themedia.jp/posts/8347535/

https://cinemagical.themedia.jp/posts/8347448/

内藤瑛亮監督の他の作品も見たくなってチェックはしたんだけど、体調万全な時に見ないとしんどそうなのでまだ観るには至らず。

(以下、ネタバレ)

冒頭、犯人となる子が小学生の時、ひどい虐めにあっていたシーンがある。この時すでに、この子の心は壊れていたのだろう。おそらく母親も。

子供の頃に心に傷をおって、でも表向きはそう見えず、本人も気づかぬまま、成長している子はたくさんいるのだろう、、、まずいね。どーにかならないもんかね。

やはり父親が頼りない。

最初に出てきた正義感の強そうな弁護士(?)もヤバイ。無罪にしちゃうのにはびっくり。でもそうよね、私達は犯行現場を見ているけど、それを見てなければ無罪にしたくなるのかもしれない。

でも子供がきちんと罪を償う機会が与えられないのは良くないという事、「MIU404」でもやっていた。

子ども達がいじめについて話し合うシーン。これ、割と危険な方向に行くんでちょっとびっくり。模範的な答えは出さずに生徒が本当に思った事(自分の都合のよい様にではあるが)言えるのは良いのよね。でもちょっと良くない思想になっていった場合、大人がどう修正していくべきなのかが難しい。

でも歴史上、ヤバイ思想が暴走して失敗したことは何度もあるのだから、そこをちゃんと学校で学ぶべきなんだろう。歴史の授業って、年代と出来事暗記して何の意味があるのかと思ってたが、何故その時にそういう判断をしてしまったのか…という事を分析して考えなければ。

周りの大人が皆おかしい。まともなのは空手小学生だけだった。

※ 以前、noteに書いていたものをちょっと手直しして転載。